ちょっと攻めた旅の寄り道|海外旅行の目的地のひとつに「セックスミュージアム」

世界中にある“セックスミュージアム”って知ってますか?

「セックスミュージアム」と聞くと、どうしても“過激な展示が並ぶ場所”を想像しがちですが、実態はもっと幅広いです。多くの施設は、性を「文化」「歴史」「科学」「表現」として見せる博物館であり、性そのものを煽るというより「人間の暮らしの中で、性がどう語られてきたか」を展示でたどらせる作りになっています。旅先で行くと、その国の価値観やタブー、ユーモアの感覚まで透けて見えてくるのが面白いところです。

展示の中身も、単に性的モチーフがあるだけではなく、たとえば 結婚や恋愛観の変化、性教育や避妊の歴史、風俗や娯楽の成り立ち、検閲やタブーの扱われ方、ジェンダーやLGBTQ+をめぐる社会史、宗教や道徳との関係、アートとしてのエロティシズム といったテーマに触れることがあります。ポスターや写真、映像、出版物、道具、彫刻などを通して「性はずっと“個人の秘密”であると同時に“社会のルール”でもあった」ことを見せていく感じです。

ただし、同じ“セックスミュージアム”でも雰囲気は本当にバラバラで、学術寄りで落ち着いた展示(教育・研究っぽい)の館もあれば、観光向けにテンポよく驚かせる展示(エンタメ寄り)の館もあります。最近は没入型の演出や体験型展示で、性をめぐる表現を現代アートのように見せる施設もあります。多くの施設で年齢制限や撮影ルールがあるので、行く前に公式案内を確認しておくと安心です。

いま行ける世界のセックスミュージアム

Museum of Sex(アメリカ/ニューヨーク)

“性”を アート・歴史・科学・カルチャーとして扱う現代的なミュージアムで、企画展の切り口がユニークです。展示を見るだけでなく、体験型エリア(施設内の遊び心あるゾーン)もあり、真面目さとエンタメ感のバランスが特徴。大人の街歩きの目的地に入れやすい一館です。

Sexmuseum Amsterdam(オランダ/アムステルダム)

観光ルートのど真ん中で「さくっと入れる定番」として人気の館です。公式でも 16歳以上が明記されていて、コレクションは絵画やオブジェ、映像資料など“性表現のいろいろ”を広く見せる方向。雰囲気は「教育的だけど、くすっと笑える」寄りで、重くなりすぎないのがポイントです。

Museum of Erotica(スペイン/バルセロナ)

バルセロナ観光の大動線・ランブラス通りにある“街の名所”枠。案内では、多文化・多時代のエロティシズムを、芸術/文化史(人類学・考古学・文学など)の観点でたどれるとしていて、所蔵は800点規模とも紹介されています。気軽に入れる立地なのに、展示テーマは意外と“文化史”寄りです。

Sex Machines Museum(チェコ/プラハ)

名前の通り“装置”という尖った切り口で、世界でも珍しいタイプ。公式では「世界で唯一、sex machines に特化したミュージアム」と掲げていて、館の雰囲気もかなりエンタメ寄りです。珍品博物館が好きな人、プラハ旧市街の観光ついでに“変化球”を入れたい人に刺さります。

The Icelandic Phallological Museum(アイスランド/レイキャビク)

いわゆる“珍ミュージアム”としても有名で、公式でも phallology(ファルス学)として、標本の収集・研究・展示を目的に掲げています。家族経営の独立館としてのストーリーも強く、「露悪」ではなく“収集と学びの熱量”で見せるタイプ。レイキャビクで「ここにしかない体験」をしたい人向けです。

Vagina Museum(イギリス/ロンドン)

こちらはかなり教育寄りで、公式でも “膣・外陰部などの婦人科解剖”に特化した世界初の常設ミュージアムと説明されています。目的はスティグマ(恥・偏見)をほどき、身体を正しく語れる空気をつくること。展示に加えてトークイベント等も行う路線で、落ち着いて“学びとしての性”に触れたい人に向いています。

Erotic Heritage Museum(アメリカ/ラスベガス)

ラスベガスのこの館は、公式で “エロティックなアーティファクト、ファインアート、フィルム、教育、文化イベント”の保存と展示を掲げていて、ミュージアム+イベントスペース的な色が強めです。ベガスらしい“ショーの街”の文脈にのせて、カルチャーとして楽しむイメージ。

Jeju Loveland(韓国/済州)

屋内展示というより、“性”をテーマにした屋外彫刻公園タイプ。韓国の公的観光案内でも、成人向けの施設として営業時間などが整理されています。昼の散策として“作品を見て回る”感じなので、ミュージアムというよりテーマパーク的に組み込みやすいスポットです。

閉館したセックスミュージアムもあるので、行く前に要チェック

セックスミュージアムは“観光名所”として長く続くところがある一方で、閉館してしまった有名館もあります。昔の記事や古いガイドで見つけた施設が、いまは営業していないケースもあるので、気になる場所が出てきたら 公式サイトや最新の案内で営業状況を確認してみてください。

  • Musée de l’érotisme(フランス/パリ)2016年に閉館と報じられています。
  • Beate Uhse Erotik-Museum(ドイツ/ベルリン)閉館扱いで案内されることが多い施設です。