「SCHOOLGIRL COMPLEX」の進化形として誕生した新たな一冊
写真家・青山裕企が2006年から継続して制作してきた代表シリーズ『SCHOOLGIRL COMPLEX(スクールガール・コンプレックス)』は、写真集としては異例のベストセラーを記録し、2013年には森川葵・門脇麦主演で映画化されるほどの人気作です。
青山はこのシリーズについて
「2006年から2021年にかけて撮影してきた『SCHOOLGIRL COMPLEX』は、いわば私の“スクールガール・コンプレックス”だった」
と語っています。
均一な制服の下に確かに存在する“個性の痕跡”は、青山にとって妄想や欲望の対象であると同時に、強い恐怖や畏れも伴う複雑な感情の対象でした。
このアンビバレントな感覚こそ、SCHOOLGIRL COMPLEXというシリーズを長く支えてきた原点です。
そして今回の『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』は、シリーズ7年ぶりとなる完全撮り下ろし新作。
“初心”に立ち返りながら、さらに新しい視点へと踏み出した作品となっています。

“少女同士の関係性”へ広がっていく視点
これまでのシリーズは、「青山と少女」という一対一の距離感で成り立っていました。
しかし最新作では、その視点が大きく変わります。
青山は本作について、
「2022年から撮影している本作『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』は、群れることによって起こる関係性の複雑さについて、女性たちのコンプレックスを通して描いてみようという試みなのです」
と語っています。
- 友だち同士の微妙な距離感
- 群れの中で生まれる役割や緊張
- ふたりの間にだけ共有される空気
- 集団だからこそ浮かび上がる個性の差異
こうした“少女同士”に生じる曖昧で繊細な感情を、制服の記号性とともに写し出すことが本作の大きなテーマです。

制服という“均質な記号”に潜む個性を抽出する試み
青山の作品は一貫して“制服という記号性”を軸にしています。
均質であるはずの制服の奥には、
- ほくろ
- 傷跡、かさぶた
- 髪の癖
- 手の仕草
- 膝裏や足のライン
といったひそやかな個人の痕跡が必ず存在する。
その“差異”こそが、青山がこのシリーズで追い続けてきた「個性」です。
『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』では、この“差異=個性”をより明確に“記号”として抽出し、関係性の中で変化していく少女像として描いています。
制服・記号・少女・個性という、青山作品を貫く四つの核が、より複雑でフェティッシュなニュアンスを纏って立ち上がってくる一冊です。

青春の曖昧さと個性の揺らぎを写す、新たなスクールガール像
『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』は、青山裕企の“原点”を踏まえつつも、
少女同士の関係性という新しい領域へ踏み込み、
スクールガールという記号が持つ多様な側面を再構築した写真集です。
個性が漂い、関係が揺れ、制服という記号がその輪郭を曖昧にする。
そのわずかな“ゆらぎ”を丁寧に掬いあげた本作は、青春を生きる少女像をまったく新しい光で見せてくれます。
青山裕企の世界観が好きな人、
制服という記号にフェティッシュを感じる人、
思春期の曖昧さを写真で味わいたい人。
どんな読者にも深く刺さる一冊です。

◆ 青山裕企(あおやま・ゆうき)プロフィール
1978年、名古屋市生まれ。写真家。
2005年に独立し人物写真を中心に活動。
2007年「写真新世紀」優秀賞を受賞し注目を集める。
代表作『SCHOOLGIRL COMPLEX』は映画化されるほどの人気を持ち、写真集は累計10万部以上のヒット。
制服の記号と少女の個性をテーマにした作品で国内外から高い評価を受けている。
















