『落下の王国』4Kリマスター公開!石岡瑛子の衣装美と幻想世界を味わう

4Kで蘇る“幻とフェティッシュの王国”──『落下の王国』いよいよ再上映

ただ綺麗なだけじゃない。
“服装や世界のつくり方そのものがクセになる映画”ってありますよね。

そんな作品の代表格 『落下の王国(The Fall)』 が、
2025年11月21日(金)から4Kデジタルリマスター版で全国再上映されます。

東京では Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下 などで公開。
4K化された映像では、衣装の生地感、色の深み、シルエットの独特さがより鮮明になり、
“ちょっとフェティッシュな魅力を感じる世界観”がスクリーンいっぱいに広がります。

布の重さ、風で揺れるドレープ、建築の形、色の組み合わせ…。
細部までこだわり抜かれたビジュアルは、観る人を自然と引き寄せます。

現実と空想が溶けあう──ネタバレなしの物語とその魔法

1915年、ロサンゼルス。撮影中の事故で橋から落ち大怪我を負ったスタントマン・ロイは病院のベッドに横たわることになります。そこに現れたのは、木から落ちて腕を骨折した少女アレクサンドリア。
ロイはある目的のため、彼女に「冒険物語」を語り始め、物語の登場人物たちが彼女の想像力によって次々と現実の病室を飛び出していきます。
壮麗なロケーション、幻想的なヴィジュアル、少女の純真さとロイの痛み、二人の微妙な関係性…これらが交錯して、「語られる物語」そのものが“視覚体験”となる作品です。

この映画の見どころは、

  • CGに頼らず撮影された実ロケーション(24か国以上)による圧倒的なビジュアル。
  • 少女の視点が、観客の想像力を刺激し、現実と幻想の境界を曖昧にする語りの構造。
  • 登場人物たちの衣装・造形・色彩が、物語の感情や象徴として機能していること。
    …といった点にあります。

衣装が物語を語り出す──石岡瑛子が創造したもう一つの“王国”

本作で衣装デザインを担当したのは、 石岡瑛子
彼女のデザインは、「服を着せる」以上の役割を果たしており、キャラクターの内面・物語世界・文化的象徴を一着ごとに具現化しています。
例えば、民族衣装を再構成した独自のシルエットや、象徴色(赤・金・黒など)を用いた視覚的強度、布の質感・動きまで考慮された設計…すべてが“衣装そのものが語る”ためにあります。

この4Kリマスター版によって、石岡瑛子の意図した質感・色彩・刺繍の細部がより鮮明に再現されており、彼女のクリエイションを劇場という“物理的な空間”で味わう価値があります。
石岡瑛子×ターセム・シン監督のタッグ作品として、この映画はまさに「視覚芸術としての映画」の極致と言えるでしょう。

最後に

もし『落下の王国』の世界観や石岡瑛子の衣装美に惹かれたなら、
同じくターセム・シン監督 × 石岡瑛子の傑作 『ザ・セル』(The Cell) もぜひご覧ください。
精神世界を衣装で可視化した、彼らのもうひとつの到達点を堪能できます。

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