『奴隷日記』―“ご主人様”に人生を預けた女の子の、リアルすぎる告白マンガ
「出来の悪い教え子だった私に、先生が与えてくれた特別な“命令”」――。
『奴隷日記』は、元・奴隷の風俗嬢であるおまΩこ(Ω子)が、自身の体験をもとに描いた実話コミックエッセイです。電子配信された『奴隷日記~ご主人様に出会って風俗嬢になりました~』をもとに再編集した単行本版が、『奴隷日記1~先生に調教されて風俗嬢になった私~』『奴隷日記2~服従の洗脳がとける時~』として刊行されています。
主人公は、ごく普通の女の子。
勉強もあまりできず、自分に自信もない彼女が、「先生」と呼ぶ男性と出会い、やがて“ご主人様と奴隷”という関係へと足を踏み入れていく――そんな過程が、淡々と、しかし生々しく描かれていきます。
「多頭飼い」と搾取の中で、彼女は何を見ていたのか
物語の舞台になるのは、“ご主人様”の周囲に集められた女の子たちの世界。
主人公の前には、すでに調教を終えた「仲間」たちがいて、彼女たちはご主人様の指示どおりに動き、褒められたり、比べられたりしながら日々を過ごしています。
読者は主人公の目線を通して、
「選ばれたい」「見捨てられたくない」という気持ちが、
いつの間にかお金や身体、生活まるごとの搾取と結びついていく様子を追いかけることになります。
2巻にあたる『奴隷日記2~服従の洗脳がとける時~』では、サブタイトルの通り、
「それは愛なのか、洗脳なのか」という問いが前面に出てきます。
他の“奴隷”たちとの比較、限界まで擦り減っていく心と身体、ご主人様の“秘密”を垣間見たことで生まれる違和感……。
そこから先、彼女がどんな結論を選ぶのかは、ぜひ本編のページをめくりながら確かめてほしいところです。
重くて痛いのに、目が離せない読み味
内容だけ聞くとかなりハードですが、絵柄は可愛らしく、
セリフやモノローグには自己ツッコミやブラックユーモアも混ざっています。
そのおかげで、ただ悲惨な体験談として読むのではなく、
「当事者が、ちゃんと自分の物語として語り直している」という距離感が生まれているのが大きな特徴です。
作者のおまΩこは、風俗の現場を描いた別作品『リアル風俗嬢日記』シリーズでも知られていて、
性やお金、人間関係の“生々しさ”を、ドロドロしつつもどこか冷静な視点で切り取るのが得意な作家です。
『奴隷日記』はその中でも、最もパーソナルで、読後にずしっと残る一冊と言っていいかもしれません。
こんな人におすすめ/読む前に知っておきたいこと
『奴隷日記』は、
- 恋愛と支配・服従の境界線
- 自己肯定感の低さが生む依存関係
- 「多頭飼い」や搾取の構造
といったテーマに関心がある人には、かなり刺さる作品です。
一方で、性行為や風俗、精神的・経済的DVを連想させる描写が多く含まれているため、
そういった内容が苦手な人にはおすすめしづらい一面もあります。
エロティックな刺激を楽しむための作品というよりは、
「どうしてこんな関係にハマってしまうのか」
「そこからどうやって“自分の人生”を取り戻していくのか」
――そんな問いを、主人公と一緒に考えさせられるコミックエッセイです。

















