【動画あり】実は三部作:主従関係から始まるロマンス──フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ

作品をかたちづくった人たち

『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』は、監督にサム・テイラー=ジョンソン(『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』)を迎え、原作はE・L・ジェイムズのベストセラー小説、主演はジェイミー・ドーナンとダコタ・ジョンソンという布陣で制作され、恋愛映画の枠組みの中にドミナント/サブミッシブという関係性を持ち込んだ点で大きな話題を呼びました。

出会いから始まる「関係性」の物語

文学を学ぶ大学生アナスタシア・スティールは、友人の代役で若き実業家クリスチャン・グレイにインタビューを行ったことをきっかけに、彼と私的な関係を持つようになります。

洗練され、成功し、強い自制心を持つクリスチャンに惹かれる一方で、彼が求める関係は対等な恋人同士というよりも、明確な主導権を伴うドミナントとサブミッシブの構図を前提としたものでした。

契約、ルール、同意といった言葉が感情のやり取りに割り込む中で、アナスタシアは「惹かれている」という気持ちと「その関係を受け入れられるのか」という問いのあいだで揺れ動いていきます。

三部作で変化していく力関係

三部作の第1作『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』では、出会いと惹かれ合いを通して、ドミナントとサブミッシブという関係性が提示され、恋愛と主従構造が同時に始まる地点が描かれます。

続く『フィフティ・シェイズ・ダーカー』では、その関係を一度距離を置いて見つめ直すことで、信頼や感情をどう扱うのかがテーマとなり、主従関係のあり方にも揺らぎが生まれていきます。

最終作『フィフティ・シェイズ・フリード』では、二人が選び取る関係性がより現実的な形へと移行し、ドミナントとサブミッシブという構図を含んだまま、パートナーシップとしてどう成立させるのかが描かれます。

フェティッシュよりも関係性に興味がある人へ

SMを専門的・実践的に描いた作品を期待する人よりも、ドミナントとサブミッシブという要素が恋愛の中でどのように語られ、衝突し、調整されていくのかに関心がある人や、フェティッシュがポップカルチャーとして翻訳された例を見てみたい人におすすめです。

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